「・・・とりあえず比呂と話し合わなきゃだね・・・」

「うん・・・」

そう言った瞬間、キャッチが入る。

「あ、亜理沙ごめん!キャッチ入ったからまた掛け直すね!」

そう言ってキャッチの方の電話に出る。

「・・・もしもし?」

「・・・比呂・・・」

「・・・昨日は・・・ごめん」

「・・・ううん・・・」

会話が続かなくて、気まずい雰囲気が流れる。

「家・・・出れる?」

「・・・うん」

「いつものファミで待ってる」

「・・・わかった」

比呂が部活サボって、よく一緒に行ったファミレス。

部活を引退してからは、何度も行った。

何度も喧嘩したし、同じだけ仲直りもした場所。

軽くメイクをして、髪を整えて。

お気に入りの服に着替えて、比呂にもらった香水をつけた。

いつも爆音で聴く音楽は今日は聞かずに歩いた。

色んなことを考えながら。

今まで、他の人に浮気されたことも、反対に浮気したこともある。




愛されてるから、安心して。

愛されてないと感じるから、不安で。

好きだから、信じてて。

好きだからこそ、不安なんだ。

あたしは、比呂をちゃんと好き?

比呂は、あたしをちゃんと好き?