シャワーを浴びてから、いつものスウェットに着替える。

ふとケータイを開く。

親友の亜理沙からの暇電の着信と、

他の友達からのメール。

メールは返す気にもなれなかったけど、

亜理沙には電話を掛けた。

「もしもし~♪」

「・・・亜理沙ぁ・・・」

「どしたの?何かあった?」

一部始終を全て話した。

女と二人っきりで嫌いなはずのオケに来て、

普段はあんまり飲まないお酒をたくさん飲んでたこと。

彼女がいることを隠してイチャイチャしてたこと。

あたしも拓実と飲んで酔って、偶然それを見た比呂がキレたこと。

比呂にたくさん殴られて、そのまま気を失っちゃったこと。

拓実と・・・寝たこと。

拓実に告白されたこと。

全部、亜理沙はうんうん、って聞いてくれた。

「・・・怖かったね。でも美沙がしたことは、していいことじゃない」

「・・・うん・・・。わかってる・・・」

「でも比呂が女に手出すような奴だなんて、今でも信じらんない。一途で、美沙のことめちゃくちゃ好きだったのに・・・」

「・・・うん・・・あたし・・・怖い。比呂が・・・怖いよ」

殴られる瞬間が何度もフラッシュバックする。