「・・・美沙。俺と帰ろう?帰ってゆっくり話そうよ」

急に優しい口調になる比呂。

「殴ったりしてごめん・・・。な、美沙・・・?」

「・・・っ。比呂・・・」

「ほんとごめん!二度と殴ったりしないから!ごめん・・・」

比呂が、怖い。

どうしよう。

「・・・嫌だ・・・」

頭で考えることが出来なくて。

「え?」

「あたし・・・帰る」

思ったままの言葉が口から出る。

「よかった・・・」

「・・・拓実と、帰る」

「は?」

顔つきが変わる比呂。

「帰ろう・・・?拓実・・・」

「おう」

「美沙!!!」

目が、怖い。

目を見ることが出来ない。

・・・こんな比呂、比呂じゃない。

髪をつかまれて、無理やり顔をあげられる。

「やめてっ・・・。比呂っ」

「だから女に手出すんじゃねーよ!!」

拓実が比呂に殴りかかる。

比呂は拓実に殴られることなく突き飛ばす。

その隙にあたしは顔とお腹を殴られた。