昼休み。

下級生からの恒例の告白呼び出しから戻ると、真琴の姿はなかった。



「ん?雨宮どしたー?」


教室の入口に突っ立っていた俺にクラスメートが声をかける。



「あ…いや、えっと…転校生は?」



なんて呼べばいいかわからず、“転校生”で誤魔化す。



「あー、なんか食堂の方行ったっぽいぜ。あれ?2人、知り合いなんだっけか?」

「あぁ、まぁ。ありがと」



クラスメートにお礼を言って教室を出る。


この高校は金持ち私立だから校舎は広い。


迷子になってなきゃいいが。