「俺さ、この前

 婚約者がいるって言ったよね。

 その相手は社長の取引先の

 娘さんなんだよね。

 俺、親を早くに

 事故で亡くしてて
 
 おやじの親友だった

 社長が親代わりに

 俺を育ててくれてたんだ。

 しかも、こんな店まで

 持たしてくれて。

 めっちゃ感謝してる。

 だから、この結婚話も

 すんなり受け入れた。

 でも…。」



ここまで、止まることなく

話し続けていた浩さんが

黙ってしまった。



それでも、そんな浩さんに

声をかけれるほど大人じゃない私。


ただ、浩さんが

話し始めるのを

黙って待つことしかできなかった。