あまりにも突然すぎて口をぱくぱくすることしか出来なかった。
「こら、推!あんたはどうしてあいさつも出来ないの!」
「おばさん、怒んないでください。久しぶりに僕を見たからびっくりしてるんですよ」
……そう。この人は昔向かいの家に住んでいた幼馴染み。
名前は長谷川裕【はせがわゆう】くん。
年は五つ離れてるけど一応幼馴染み。
でも、裕くんはアメリカに留学してたはず!
何で!?
何でいるの!?
あたしは一人悶々と考えていた。
「もう、いいのよー?そんなにこの子を庇わなくてもー。ごめんなさいねぇ?本当に愛想のない子で…」
「そんなことないですよ」
なんて、そんな超失礼なお母さんの言葉さえも今のあたしには聞こえなかった。