「だから、勝手についてきたじゃなくて、ここに住むために帰ってきたのよ」


俺の言葉を訂正するかのように、母親がいった。


「じゃあ、俺の部屋で寝るってこと!?」


「そうよ。どこに部屋があるって言うの?」


「…」


嘘だと言ってほしい。


俺はショックを受け、素早く二階に逃げこんだ。


鍵をかけ、電気をつける。部屋には一面に電気の光が入り、鞄を投げ捨てた。