しばらく歩いて広場のベンチに座った。


「ねえ、どうしてあの場所だけ孤立しているの?」


「あそこはな、身寄りのない子供たちが住んでいる。まあ元はあそこは、ただの広場であの小屋はもの置きだったんだ。」


え…身寄りのない子供と言うことは…


「ラウルは、パパやママが居ないの?」


「あぁ。もの心ついたときには居なかったな。」


そんな事が魔界にもあるなんて…。


アタシが人間界でいた、施設では親が居ない子達がたくさんいた。


けれど、魔界でもそういう人がいるとは考えもしなかった。



「じゃあコーリーも?」


「コーリーも、モーガンも居ないんだ。」


モーガンも…


時折、悲しそうな冷たい瞳をするのはそのせいだろうか…。



「ルウナ、俺に興味がわいているのか?」


「べ~つに!
ただ…ラウルはひとりぼっちで寂しくないのかなって。」


フンッッと笑った後、
ゆっくりラウルが口を開いた。