ジュノバス村は初めて来たけれど…

建物や風景アタシがいた人間の世界に似ている。


大きなビルがあったり、
村というか街みたいだ。

「懐かしいな~」

「懐かしい?初めて来たのにか?」

「人間界に似てるのよ。」
「人間界か…。楽しかったのか?」

「まあそれなりに。
学校とかだるかったけれど。」

「ふ~ん。」


「英太…元気かな…」


「誰だそれは。」


あ…口に出ていたのか。

ラウルを見ると何故か不機嫌な顔をしていた。


「人間界に居たときの友達だよ。」


「男なのか?」


「そうだよ。大事な友達だったの。アタシって人間界に居たとき、女の子の友達一人も居なくて、唯一の友達だったんだ。」



「友達ねえ…。」


ますますラウルの顔が不機嫌になっていく。


なんなのよ…


「まさか、ヤキモチ妬いてたり~」


なんて冗談で言ったら…


ピクリと耳が動いた。

まさか…図星…?



どうしていいかわからなくて…


「あ!ラウル~お腹減ったな~」


そう言ったら…



チュッッと唇を奪われた。