まただ。

また冷たい瞳をしている。
いつものキラキラした目ではなく怖い目をしていた。


「ルウナ!」


「は、はい!」

急にラウルに名前を呼ばれドキリとした。


「何セルさんばかり見つめている。」


「べ、別にそんな事ないわよ。」


「ルウナは俺だけ見てればいいんだ。」


そう言って、ぎゅッときつく抱き締められた。


「ちょっと…。く…苦しいよ。離して。」


「嫌だ。離したくない。」


そう言って、抱き締められる力がまた強くなった。


そんな優しい声で言うからまたアタシの心臓はうるさくなった。



なんなんだろうか。


今日のラウルは本当におかしい。



そして、アタシも…



いつもなら、攻撃するはずなのに…

逃げるはずなのに…



今日ばかりは大人しくなってしまった。