ホールの真ん中で、
アタシとラウルが踊るのを皆釘付けになって見ていた。


そんなことがわからないくらいアタシはドキドキしていた。


ラウルとあまりにも密着しているから。


「ルウナ、そのドレス似合っているな。」


ハスキーな声で、優しく言うラウル。


いつもの俺様はどこへ行ったのか…


「ラウルが…選んでくれたのね。…ありがとう//」


どうしてか…
ドキドキが止まらない…


あんなに踊るのが苦手だったのに…


今日は見事に踊れている。


「皆、お前に見とれているな…ちょっと妬ける。」


「…へ。//」



妬ける…って…


ラウルが…ヤキモチ妬いてるの?



それって…


考えているうちに、


チュっと噛みつくようなキスをされた。



「…ちょっと!!
皆の前で辞めてよ…//」



もっと怒りたいのに…


恥ずかしくて俯いた。



そんなアタシに、ラウルはフフっと優しく笑った。



もはや、二人だけの空間になっているみたいだった。