電話を出た私の耳に、

懐かしい声が広がった。


『もしもし?俺、早川です。
今日からよろしくお願いします』



「早川…?
もしかして、早川雄一?」


『えっ!?そうですけど…』



雄ちゃん…


何で―?



雄ちゃんとは
ずっと同じクラスで

私が襲われたって

知ったときに

友達がみんな離れてっても

雄ちゃんだけは慰めてくれたり、


私に好きだって言ってくれたり、


私にとって

すごい大切な存在で



その時私は無気力で

雄ちゃんの告白を断ってしまったけど


あれから

何度か連絡してきてくれた
雄ちゃんの優しさに甘えて…


無視をするようになってしまって


ずっと気まずいままだった


私は電話番号も変えてしまっていたし、


全然連絡しなかったの

怒ってるかな…?




「雄ちゃん…だよね?」


『え?誰っすか!?』



「…明日香だよ」


『え?明日香って…』



「ご、ごめんね?うちのママが寮やってたんだ。
黙ってて…ごめんね…」


『待って、明日香って…ほんとに明日香なの!?』



「うん、ごめ…っ雄ちゃ…」



わかんないけど

涙が止まらなかった



久しぶりに

優しい声を聴いたから…


『な、泣いてんの!?明日香…』



「うっ…だっ、だって

久しぶりに雄ちゃんの声聴いたから、嬉しくってぇ…ふえぇん」



『そ、そっか、何か照れるな。つか泣くなよ!』


「うん…雄ちゃん、もしかしてここの寮に住むの?」



『そーだよ!…あ、そか…一緒に住むって…

や、やべーな!!』



「え、嫌なの…?」



『ち、違う!そうゆう意味じゃなくって…』



「ほんと?
でも、良かったー!他に知らない二人が来るし、心細かったんだ♪」



『は!?二人っきりじゃないんだ!?』



「何言ってんの?違うよー。じゃ、また後でねっ」


『あっ…』


ーピッ



雄ちゃんとの電話を切ったあと

私はモヤモヤと考え出した



あー、雄ちゃんが来てくれるならマシだけど


不安だなあ…


今野君と


七瀬君だっけ?


すっごい嫌な人達だったらどうしよう…



「はぁー…」




あーもう

落ち着かないからシャワー浴びよっと!