と、思えたが。


『ふ~ん。せやろな。
 ほな俺の名前、
 言ってみぃ?   』


にた─っと怪しい
笑みでこちらを見る。



これはもう観念する
しかない。


「……ごめん。
 覚えてないねん。」


『やっぱりな(笑)』


分かってたの?!!


私は記憶力は悪くないし
ましてや記憶障害が
ある訳でもない。


でも、クラスのこと
なんて何も考えたことの
ない私は思い出せなかった。


「ごめんなさい…」


『ええよ。気にすんな。
 俺の名前は梅川洸太。
 今度は覚えてな?  』


「は、はぁ……」



こんな私に話し掛ける
なんて変わってる。


そんな印象しかなかった。