『あぁ分からへんよ。』


「え?…」


『分かりたくもないわ。』


「どういう意味よ!!」


『そうやって自分の
 気持ちからも現実からも
 逃げとるやつの気持ち
 なんて分かりたくもない。』


「ええよ。分からんで。
 分からんで…ええよ。」


思わず涙が出てきた。


私…逃げてたんだね。


梅川の言う通りだ。


こんなままいられないと
思って立ち去ろうとした。


『ちょっ!!待てや。
 こっち来い。  』


「は?離してよ。」


どんどん引っ張られて
ホ‐ムの端っこ、人が
全然いないイスに座った。


………



「なんなん?…」


『俺が泣かしたみたいに
 見られるし…    』

は?だって実際
そうじゃない。


いや、自分自身に
泣かされてたのかな…