「ごめん…。」


この様子を見ていた
女子が口々に言い始めた。


『桜木さんあれは
 ちょっとひどない?』


『桃谷さんも
 かわいそうになぁ…』


『あんな子に話しかけ
 んといたらええのに。』


でも、彼女は違った。



『謝らんといてよ。
 でもあたし……
 諦めへんよ?  』


そう言ってニコッと笑う
桃谷さん。


なんだか胸が痛くなって…



『私は…友達なんて…
 いらない…ごめんっ。』


桃谷さんを見るのが
辛くて、


教室を飛び出して
しまった。


どうしよう…


もうすぐ先生来るし…



とにかくその場から
去りたくて、


見つからないように
校内を走り回って
辿り着いた場所──…



それが─資料室──…