そうして、私は失恋した。

始まってもいない、空回りの恋だった。


24才にもなって…みっともない恋。



恋は終わっても、仕事はある。

本庄さんにも…会わないといけない。

気まずいし、行きたくない。



でも、行かなきゃ。


ああ、そうだ。誰か「会いたい人」を作ればいいんだ。

あの人がいい。


彼女がいて、そのくせ飲み会でお持ち帰りしてる、あの人。

営業課の主任、宮本結城。

あの人なら、仕事ぶりは尊敬してるけど、深みにはまったりしない。
だって、ワルい所たくさん知ってるもの。


有能な彼に誉められるのは単純に嬉しいし。


ちょうどいい。


…告白なんてしないから、すぐ他の人見れるはずだから。


そうして、白羽の矢を立てたー。