好きな人に、彼女ができた。

本庄さん。
出入りの業者の人で、私より3才年上で、色んなことを私に教えてくれてー。

いつの間にか好きになってた。

毎日メールして、夜中でも電話して、告白はまだだったけど、期待してた。
…私のこと好きなのかなって。


でもある時から電話もメールもしなくなって…。

仕事の合間に長電話。


…その声は、甘くて…。


耳に届いた噂。

総務課の事務の女の子と付き合ってるって。


私は会ったことなかったし、優しかった彼への期待を諦めきれなかった。


そんなある日の土曜日。


私は休日出勤で、会社にいた。


そこに、普段の作業服じゃない彼がやってきて…。

「本庄さん?」

声をかけると、軽く手を上げて

「おう」

と返事をする。

「今日土曜日ですよ?どうしたんですか??」

そう言った私の顔から、彼が視線を自分の斜め後ろに移動させる。
そこには、栗色のボブで、キツイ感じの美人さん。

「こいつ、迎えに来た。」

「…そう、ですか。あ、私はまだ仕事あるので…これで」

そう言って踵を返す。


心臓が煩い。
吐きそう。


なんで。どうして。
わざわざ私の前でー!

私の気持ち気付いてなかったの?

それとも…わざとなの…?