岩崎君は、少し躊躇った後、ようやく私のお弁当箱に手を伸ばして、卵焼きを食べてくれた。


それだけでも、嬉しかったのに。


「...うまいよ、赤塚。ありがとな」


なんて、胸がキュン、てなるくらいのカッコイイ笑顔を見せられて、もっと嬉しくなった。


それに、また体が熱くなって、ふわふわした感覚になった。


「あはは、優衣ちゃんてば、また顔真っ赤ー!」



そうやって、また白石君にからかわれちゃったけど。


すごく、幸せなひとときだった。



―――...だけど、岩崎君のことは、まだ謎のまま。