そんな中、画面に映し出されたのは――……

拳をギュッと握りしめて、空を見上げながら立ち尽くす、稜君の姿だった。


その色を失ったような瞳に、私の心臓は壊れそうな程にしめつけられ、呼吸さえ上手に出来ない。


「……ダメ」

ダメだよ稜君。

天を仰いだ稜君が、ゆっくりと息吐き出した。

そしてその唇が小さく動く。


“美月”

小さく私の名前を呼んだ、あなたのその姿に、私の身体が震え出す。


「稜君、お願い……っ」

震える声と、零れ落ちる涙。


――空は繋がっているのに、こんなにも遠い。

だからきっと、私の願いは届かない。


床に座り込んだまま、冷たい指を握りしめる私の目の前で、稜君はゆっくりと、その瞳を閉じたんだ。