それから時間を惜しむようにたくさんキスをして、シャワーも浴びずに二人でベッドに縺れ込んだ。


「今度はもっと、おっきなベッド買おうね」

私を抱きしめて、体中にたくさんのキスを落とす稜君は、クスクスと笑いながら甘い声で囁く。


「んっ……いいよ、このままで……」

「どうしてー?」

稜君の口から言葉が紡がれる度に、その熱い呼吸が私の体をくすぐるから、吐息混じりの返事になってしまう。

久し振りに味わう稜君の指先は、私の気持ちのいい所をちゃんと覚えていて、触れた場所に、甘い痺れを残していく。


「だって、あっ……んん」

「“だって”、なーに?」

身じろぐ私が、それ以上言葉を繋げられない事をわかっていながら、嬉しそうに目を細める稜君は、本当に意地悪だ。

彼の手が、私の過敏になっている体を何度も優しくなぞるから……。

その刺激に耐えきれず、私は甘い声を漏らしながら、引き締まった体にギュッとしがみつく。


「りょ……くんっ、もう……」

「“無理”?」

その言葉に、何度も首を縦に振る事しかできない私の唇に落とされた、稜君のキス。

クラクラして、胸がギューっとしめつけられて……。


頭が真っ白になって、飛びそうになる意識の中、私は稜君の全てを感じたくて――背中に回す指に、ギュッと力を込めたんだ。