徐《おもむろ》に取り出した携帯を、ゆっくり開く。
“いまどき、ツーショット写真ってどうなの!?”と思いつつも設定した壁紙は、約束通り、二人で一緒に撮った写真。
「逢いたいなぁ……」
稜君のその笑顔が、私の胸をギュッとしめつける。
ゆっくりと時計に目をやると、その針は、午後五時過ぎを指していて、着信履歴から稜君の名前を呼び出し、ゆっくり通話ボタンを押した。
――向こうは朝の八時。
鳴り続ける呼び出し音を聞きながら、さっきの着信履歴が、四日前だった事に今更気付いて考え込む。
「四日も話してなかったんだ」
繋がらない携帯を閉じた私は、自分の膝に顔を埋めた。
まだ始まったばかりの遠距離恋愛。
それなのに、思う事は――
“まだ四ヶ月なんだ”
“まだ八ヶ月もあるんだ”
そんな事ばかり。