「次に稜君に逢えるの、いつかなぁ……」

暗くなった店舗のオフィスで、一人呟いて、見飽きるほど眺めたプリミアリーグの日程を思い出す。

六月と七月はオフシーズンではあるみたいだけど、私の日程が合わないし。

そもそも、オフの間ってどうしているんだろ?


「はぁー……」

改めて、わからない事だらけだという事に気が付いて、また溜め息が漏れる。


ちょっと前までは、簡単にメールが出来たのに、離れてからは色々な事を気にしてしまう。

“これを聞いたら、帰ってくるのを催促してるみたいかな?”とか、“こんな事を言ったら、稜君は気にするかな?”とか。


無駄にマイナス思考が働いて、困ってしまう。

それに、九時間という時差も手伝って……。

結局、メールを打つ手を止めて、そのまま消去してしまうんだ。

あんなにも気を遣わないでいられた関係が、ほんの少しずつ、変わり始めていた。