俺は、内心嬉しく・焦りつつ、帰った。
家に帰り、部屋に帰るも、悠里の言葉が焼き付いて、離れはしなかった。

「嘘・・・だろ?」

「春登ぉ~?御飯よ?」

「はぁーい」

俺は焦る気持ちを抑え、階段を下りリビングへ向かう。

「頂きます。」

俺はいつもと変わらない様子を装い、箸を口に運ぶ。

「あのね・・・驚かないで、聞いてもらいたいの。あのね・・・」

母さんはずっと下を見つめ、俺の方を見ようとしない。
父さんは俺を見つめる。

俺は両親をただただ見る事しか今は出来なかった。

「なに?重要な事?」

「あのな・・・春から九州に引っ越さなきゃいけねぇんだ。転勤だ」

「・・・」

俺は父さんが言った言葉がよく受け止める事が出来なかった。

「え」

なんだ、コレ。ドッキリか?うちの家族はうそつきだからなぁ。
早くドッキリって言ってくれよ。
なぁ、親父嘘って言ってくれよ。
なぁ、母さん嘘だろ?

おれ、高校生活順調なんだよ。
おいっ!

「お父さんの仕事の都合でね・・・ごめんね。少しずつ荷物まとめといてね。本当に申し訳ないわ、残りのここでの高校生活を楽しんでちょうだい。」