「今日、会ったばっかじゃん」



「うん。でも、先パイ、可愛かったから。話したくなったんだ」







可愛い?







普通にサラッとそうゆうこと言う?






顔が赤くなるのが分かった。



「先パイ、顔赤いよ」


あゆたは顔を覗き込んだ。



「あゆたくんが、変なこと言うからでしょ」


私は顔を逸らした。



「俺、なんか変なこと言いましたっけ?」



「もういい」


私は早歩きで歩き出した。



「待って下さいよ。先パイ」


あゆたは後ろをついてくる。







何なのよ、この子は。








「先パイ」



「もう、何よ」


私は後ろを振り返った。



「歩くの速いです。もっと、ゆっくりいきましょうよ」


あゆたは、すごく落ち着いている。私は歩くスピードを弱めた。



「先パイ」


「今度は何?」



「あゆたって呼んで下さい」



「はぁ?」


あゆたはニコニコしている。



「分かったよ。後さ、敬語使わなくていいよ。なんか、変な感じだから」


私は言った。



「オッケーだよん。じゃ、これからもよろしく」


あゆたは私に向かって、ピースをした。



「ピースしなくていいから」


私は溜め息をついた。







一緒にいると、疲れる。