「こ、高校生から告白されたあ!?何ですか?それ何のドラマですか!?」
「ちょっ!瑞穂ちゃん、声大きい!それにドラマじゃないから困ってるの!!」

驚きにあんぐりと開いた口をぱくぱくとさせていた瑞穂は、人差し指を口にあて、「しーっ!」とジェスチャーを取ることりに、すみませんと肩を竦めぺろりと舌を覗かせる。

が、声の代わりにか身を乗り出してきた。

「でも、先輩、その人と面識ないんですよね~。としたら向こうの一目惚れって線が強いと思いますけど」
「ひ、一目惚れ!?私に!?ないない!」
「他に誰がいるんですか。で、告られて断ったら携帯持って行かれて、ですか?」
「そう。おかげで今朝寝坊しちゃった。」


むぅ、とことりは眉根を寄せる。



「いやそれは、先輩いい加減携帯のアラーム機能じゃなくて普通の目覚まし買いましょうよ。今なら色々種類ありますし・・・ってそうじゃないです!」

話が脱線していることに気づいたのか、瑞穂は跳ねるように立ち上がった。


「先輩、今日そのカフェ行きますよね?ちゃんと答えてあげたほうがいいですよ」
「・・・・ん。わかってるんだけど」



曖昧に笑うことりに、顔を近づけ瑞穂は小声で囁く。


「とりあえず、先輩がいやじゃなければオッケーしてみたらどうですか?面白そうだし」


身近で起こった恋愛ドラマのようなエピソードを完全に楽しんでいる瑞穂にことりはがっくりと脱力した。