「どけどけ〜!」
こちらに向かって一直線に走って来る。段々大きくなってもう目の前!


『ギャ―!助けて!』

叫ぶとすぐに猛ダッシュ。


全力疾走で逃げるが、向こうも追いかけてくる。


『着いて来ないで〜。』


「嫌なら逃げてみろよ。」



『助けて〜。お母さん〜。』




私の方が走るのが早かった。逃げていると遠くの方で声がした。


「シロ〜!帰るぞ。」


彼のお父さんのようだった。


「ちぇっ!今度は捕まえてやるからな。」


『ば〜か!早く帰りなさいよ。』


言ったものの内心は、ほっとしていた。





『ちょっと怖かったけど、面白かった。さあ、私も帰ろう〜っと。』