考えがまとまらないうちに、卓也ちゃんが、 「そろそろ行こうか?」 ってみんなに声を掛けた。 本当はもっと早く気がついた筈なのに! だって最近は、お婆ちゃんもお母さんもほとんど帰って無かったのに。 私は自分の事でいっぱいだった。 レオに聞いたらすぐに解る話だった筈なのに。 ただ、クロに逢いたくて、みんなの話しをちゃんと聞いていなかった。