その瞬間、ライガがまるで野球のスライディングみたいに、二人の間に足から滑り込んだ。


そして、クロスした前腕で鉄パイプを受け止めた。



無茶苦茶だ。ライガはやっぱり、する事なす事、ムチャクチャでハチャメチャ……。



「ってっ……。ヒビ入ったわ、多分」

緊張感も何もない予測。

あなたが負傷しているの、きっとそこだけじゃないけどね、と心の中だけで突っ込んだ。



「てめ、何考えてんだ? 死にてーのか? このイカレ野郎!」

勇輝は物凄い形相で、ライガを罵倒する。


「死にてー訳ねーだろー!」

何故だかライガは、逆ギレして罵声を返す。



勇輝は大きく一つ息をつくと、鉄パイプをライガの腕から外して横に放った。



「どういうつもりだ? 説明しろ」

「身体が勝手に……」

「わかるように説明しろ」


勇輝の有無を言わさぬ威圧的な強制に、ライガは苦い笑みを浮かべた。