その後、修夜君は一言も口を開かなかった。


「俺のことは普通に湊でいいから」
「え・・・じゃあ、湊君、でいいかな?」
「別に」

ぶっきらぼうに言うと、スタスタと歩いていってしまった。
湊君、怖い・・・

「おい」

振り向くと、不機嫌そうな顔をした、
流海ってひとがこっちを睨むように見ていた。
「菊谷流海。流海様って呼べ」
「・・・」

沈黙。

「流海・・・でいいですか?」
「様」
「だから、流海・・・」
「様」
「~”お断りします!!」

私は逃げるように、
いつの間にか着いていた寮へと駆け込んだ。