「まかせる?」



「やりたいこともやりたくないことも決めんのは恋理だ。
恋理がまたバスケしたいって言ったら止めないし、何も言い出さないなら勧めない。
俺は恋理が動くのじゃなくて、恋理の意思が動くのを待ってる」



「………」
 


恋理ちゃんの、意思。
 


確かに、基本的にはそれが総てだ。



無理に勧めることに意味はない。



どころか、傷を深くしてしまうこともあるだろう。
 


でも、なんでだろう。どうしていいかわからないと言った氷室くんより、彼方さんの方が――……



「……じゃあ、どうして彼方さんまでバスケを辞めたんですか?」