益山とメンキンがうまそうにビールを飲みながら帰って来た

「ただいま。つうかビールたけぇよ!500円もしたよ!」

メンキンが愚痴っていて益山が

「観光地価格ってやつだな。しゃーない…」
私は

「ちなみにコーラはいくらだった?」

「ん?300円だったかな」

「たかっ!」

朝からブーブー言っていた

ライブ会場で並び始めた

長蛇の列だった

日差しが私達を真っ黒にしていった

並んでいるだけなのに肌が焼けているのがよくわかる

約二十分並んだだろうか

ついに私達の番になった

チケットをリングに変え入場した

すごい人の数だった

周りを見回しても人、人、人だらけだった

「何人ぐらいいんだろうな?」

私が素朴な疑問をとばすと益山が

「万じゃない!」

既に酒がまわったのかいい感じで酔っ払っていた


『オオオオッッッ!』

怒号のような歓声がした


MCがステージに登場した

それだけなのに私もテンションが急激に上がった

益山はさらにテンションが上がり持っていたビールを振り回しながらぶちまけた

「オゥオゥオゥ!」

「冷たっ!」

私にビールが頭からかぶってきた

「おい、ビチャビチャになっちゃったじゃねぇか!」

まわりのメンキンや正也にも引っ掛かりみんな益山の肩にパンチをしていた

「いたたたたたた…何すんだよ!」

「酔っ払うの早過ぎだよ」

メンキンが突っ込んだ
「すまんこ!」

怒られているのにバカ事ばかり言っていた

「ほっとくべ、しばらくしたら酔い覚めるだろ」