やがて、包丁で野菜を切る硬い音がしてきた。

叩きつける音が耳障りで、俺の機嫌まで悪くなりそうだ。


俺はベッドの中に潜りこんで、耳をふさいだ。

母親の真っ黒な感情が伝わってくる。

きっと、俺を恨んでいる。


――頼むから、やめてくれ……。