「蓮っ!?」





嘉の慌てた声がひときわ大きく響いて、蓮士の周りを囲んでいた全員がざわついた。




そして、顔面蒼白の楓が私のところに走り寄ってきた。




「侑希…蓮が意識を失った……」

「蓮士が…?」




蓮士が、意識を失った?


頭痛で…?


それとも、他に何か原因があるのかしら…。



なんにせよ、見るからに丈夫そうで体力のありそうな蓮士が意識を失うとは。

ただ事とは思えない。




「とにかく、どこかの部屋に寝かせなきゃ……。……侑希、どうかした?」

「……なんでもないわ。」




チクリと。一瞬、こめかみに刺すような痛みが走った気がした。


だけど、痛みなんて…あまり感じないからそれが本当に痛みかどうかは解らない。





とにかく、ぐったりと運ばれる蓮士が心配だ。