それからしばらく経ったころ、私は何度も欠伸を繰り返していた。





ここ最近の私は、頻繁に言いようのない眠気に襲われる。



貧血にも似ているけれど、その感覚はよく知っているから違うっていうのは分かる。



「……、」

「侑希、ねみぃの?家でちゃんと寝てる?」

「…寝てるわよ。」




楓が不安げに私を見る。


大丈夫よ、私は寝なくても大丈夫。



蓮士はここにいなくて、結都はソファで寝てる。


李玖は音楽を聴いてるみたい。


嘉はいつも通りパソコンと向き合ってる。

家のことはもう良いのかしら。



眠気に苛まれながらも、完全に眠りに落ちることを忘れた体はそう簡単には休んではくれない。




ソファに腰掛けたその体制のまま、うつらうつらと意識をふらつかせていた時だった。









「みっ、みなさん!総長がっ!」




泣きそうな顔をして弘也が部屋に飛び込んできた。