もう帰ろう、そう思ったとき、そいつがついに動いた。



 亜由美の体操服を大事そうに抱え、周りのものも物色している。



  『──っ!』



 思わず声を出しそうになったが、なんとかこらえた。



 あいつだ、あいつが変態ドロボーだ!



 さすがに怖い、変質者だぞ!



 意地張ってる場合じゃないだろ!



 自分にそういい聞かせ、逃げようとした。



 そのとき、またまた顔を出した月に照らされ、ついにそいつの顔が見えた!!



  『うっそ・・・』



 はっとして口をおさえたが、もう遅い。