「お母、さん?」
「ん?」
「あの……えっと……」
お母さんを呼んでみたものの、どう話していいのかわからず……。
「お父さんからね、君と同じだねって言われちゃった」
「えっ?」
「雪乃を妊娠した時、お父さんね求職中だったのよ……」
「そうなの?」
そんな話、初めて知った。
「大学出て就職して、お互い仕事が軌道に乗って、ある程度お金が貯まったら結婚する約束してて。でも人間関係で体壊して仕事辞めちゃってね……」
「うん」
「そんな中、お母さんのお腹に雪乃がいることがわかって……」
「うん」
お母さんは昔話をしながらも、私の腹を優しく撫で続ける。