「おい、巧。なんで笑ってんだよ」


一歩、また一歩と進むのに比例するように、圭の足音は大きくなっている。



巧は怪しいほど満面の笑みをたたえた口許を更にニヤリと歪ませた。



「圭、まだわからない?」


……怪しい。

巧は絶対に何かを企んでいる。


きっとくだらない事だろう、と私は思う。








「その笑いがウザいほど気持ちわりぃん……わっ!?」



そう言い終わらないうちに、圭が……こけた。




よく見ると、巧の前に床と同じ色をした怪しい物体が。





……なにこれ。