「そうだよ、俺の部屋。さっきさ、お前、急に倒れたからマジ焦った。でもま、元気そうでよかったけどな」
にっこりと笑って私の頭をくしゃくしゃと撫でる巧。
でも、だんだんとその顔から笑顔がなくなっていった。
「これ……俺のせいだよな。首、赤くなってる……」
俺、医大生なのに……と呟いて私の首をそっと撫でる。
「医者になろうって奴が、人の体を傷つけるなんてありえねーよな……」
その姿は優しいお兄ちゃんそのもの。
そして、どこかの病院の医師のような雰囲気も出ている。
ああ、巧。
医大生だったね、と今更ながらに思った。
(※この事については2ページ参照)