「お前……ナニやってんの?」
圭の冷たい視線と低い声が樹に突き刺さる。
でも、樹は全く動じていないような顔で
「ああ。……何って、キスやけど?」
いつものようにニコニコ笑顔の顔で言った。
「何でキスしてんだよ」
圭の声が更に低くなる。
「圭だってしよるやん。この3人の中でお前が一番キス魔やけんね……? しかもさ、圭だけなんよ、リンちゃんの唇にキスした事あるってヤツ」
流石の樹もこれには若干焦りを感じていたようだけど、どうにか冷静に返事を返していた。
圭が一瞬、うっ……と声を漏らしたのが聞こえる。
でも直ぐにまたいつもの調子に戻ると大声で叫び出した。
「う、うるせぇよ! 俺はいいんだよ俺は! それにお前だってさっきリンの唇にキスしただろーがっ!」
う、うるさ……っ。
思わず耳を塞ぐ。