「要するに、俺がリンから離れたくな……」 バシィィン! 圭の言葉を遮るように高い音が響いた。 何かを叩いたような……。 「ってぇな……! いきなり叩くんじゃねぇよ!」 そう言いながら真っ赤になった頬を抑える圭と相変わらずの笑顔で右手をひらひらと振る樹を見て確信する。 ……間違いない。 樹が圭の頬をビンタしたのだ。 でも、なぜビンタ……?