「ひゃっ!」
耳に、何か温かいものが……。
「ん……あっ、けいっ……」
私の耳を、圭が舐めていた。
まっ先に思ったのは、圭が甘すぎるという事。
普通は、なんで舐めてるの!? って思うのが先なんだろうけど……。
「リン、それだよ。なんでデコにキスされてんだよアイツに」
実の兄を『アイツ』って……。
巧、かわいそうだな……。
「……やっ、あ……」
なおも圭は耳を舐め続ける。
「リンの耳って、甘い味がする……」
「……ひゃあっ!?」
しまいには、耳たぶをかじられて……。
そして、気づいたら額に圭の手があった。
私は その手を指差しながら言う。
「……んっ、圭、この手……っ、なぁに?」