「どうして好きになりたいのに好きになれないんだろう……」

そうつぶやく白川。

答えは明確。


彼女は、絵を好きになりたいんじゃなくて、求めてる人の好きなものを好きになりたいだけ。


母親とのつながりを求めてるだけ。


血のつながりがないのを現象で繋ぎ止めたいだけ。


ないものをまるでそこにあるかのように必死で追い求めてる白川。


幻想は幻想でしかないのに。


だから余計に――


(悲しいよな……)