……俺じゃない。俺じゃないよ、今の。


目の前では信じられないものを見たといった感じの富永。


急にわなわなって震えたと思ったら、「アンナがそんな事言うなんて!夢だ!悪夢だ!いや~!!」と走り去ってしまった。

いやいや、現実だ富永。


女性に幻想抱きすぎ。


「呼び捨てにすんじゃないわよ」と最後までふてぶてしいのが女。


これが現実よ、と隣を見下ろす。


(富永、お金落としていけば最高だったのに―…)