(ああ……最悪な朝だ)

重い頭に心に体、それに加わるオレンジの存在。


面倒だから知り合いには手を出さないって決めてたのに。


(俺のバカ)


いつまでもこうして後悔していても仕方ないので、それを振り払うように煙草に火をつけ、運命の第一声をあげることにした。


「お、はよ」


体内に残っている酒にまみれて、思った以上に声が掠れていることに初めて気がついた。