その週の日曜日の午後は晴天。


(煙草吸いてぇ……)


カランと喫茶店のドアが開く音がして


「ジロー!久しぶり」


香織が大きなお腹をさすりながら歩いてくる。


「……どうなんだ?調子」


「順調、順調。もうお腹はちきれそう」


と幸せそうに笑い、「よいしょ」と木製の椅子に腰掛ける。


「もうすぐ?」


「ん。今日でもいいぐらいなの」


「え?マジ?」


「うっそ。あと少し。けど、今産気づいたらジローに送ってもらえて楽だし、いいな~」


「バカ言うなよ」