倉澤先生にはなんとかお願いをして一ヶ月後に見てもらえるように約束を取りつけた。


白川の希望通り、翌日からほぼ毎日放課後に油絵とデッサンの指導をするようになって二週間がたった。


課題が必要レベルより少し高めなのは俺の小さな復讐だけれど。



それに対してはブツブツと文句も言うけれど、彼女は必死で、俺のダメ出しも素直に聞き入れて課題をこなそうとしている。



てっきり俺の指導にも文句タラタラだと予想していたから、最初は不思議だった。



白川が言ったたったひとつの不満は毎日の課題で最近はあの手伝っている小料理屋の『紫苑』に行けなくなったことぐらいだった。



これに関しては、どうせ高校生が出入りするようなお店じゃないからかえってそれでいいのでは?と思うのだけれど。