「え?」


視線を前に戻した時には、唇にやわらかい感覚。


甘い香りが鼻腔をくすぐって。


飛び込んで来た鋭いライトに視界が一瞬真っ白になった。


グイッと彼女の両肩をつかんで体を離す。


「……何のつもりだよ?」


「……脅迫の再確認」


「は?」


「前にも、先生はあたしに負い目があるって言ったでしょう?その確認です」


白川はニッコリ微笑むとケータイの写真を俺に見せる。


そこには当然さっきの俺と白川が写っていて。


「倉澤先生に聞くだけだぞって言っただろ?」


「あたし、同意してませんよ?聞くだけって事に」


(き……きたねぇ)


「現在もあの脅迫の延長上にあるって事を再確認してほしいんです」


「……」