「ハッキリさせとかなきゃと思って昨日の事。まあ、ああいう事になっちゃったから。お前も辛いとは思うんだけどさ――」


ガタガタと油絵を棚に並べ直しながら、もう一度顔だけ白川に向ける。


「ううん。大丈夫。あたしは大丈夫です」


そう答える白川は健気に見える。


さすが優等生気取ってるだけあって取り乱したりしないらしい。


そういう態度ってのはなかなか評価に値するってもんだ。


少し安心していつの間にか止まってしまっっていた手を再度動かす。


「そっか……やっぱりそっか」と白川が自身を納得させるかのような呟く声にも、鋭さを感じない。


「ウルトラCとかそういうのも無理だから。ってかそんなの存在しないしね。そういう事だから。この推薦の話はなかったことにして、お前は進路をあらためて担任の先生と話し合わなきゃいけないと思うんだよな。そういう事でいいか?」


(よし!やった!言い切ったぞ!)


「……」