静かな美術準備室に響いた盛大な舌打ちは、俺の小さな抵抗だ。


「聞くだけだぞ?ダメって言われたら諦めろよ?」


「決着つきましたね、とりあえず」


(くっそ~)


白川のとってつけたような笑顔を見ながら、俺の胸に広がるこの気持ち。そうこれって敗北感。


「じゃ、失礼しましたぁ」


優等生気取った声が響いて。



彼女が開けたドアから入ってきた風が微かな残り香を運んできて、またあの情事を思い出してしまった。