「教師呼び捨てにすんなや。マジかわいくねェ」


「教師らしいことしてから教師面してもらえます?ジローのくせに」


そう言い返されて、一瞬言葉に詰まってしまった。


「……そうきますか」


“ジローのくせに”って……。


あの屋上の日から封印されていた『ジロー』を持ち出してくるのって卑怯じゃね?


「こんな事、あたしだって言いたくないんだけど――」


チラリと彼女の視線を感じて顔を上げると


「ジローは覚えてないって言うかもしれないけど、あたしは覚えてる。ジローがどうやってあたしを押し倒して、どんな風にキスをして、どんな風に――……」


「わー!!わぁかったから。分かったからもう止めろって、バカヤロー」


「推薦の件よろしくお願いします」


まさかの脅迫にあった。